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風の谷〜泰阜村   秋色に染まって

 悠々の庭を華やかに彩っていたコスモスが枯れ、里山のあちこちで、華が咲いたかとしばし見とれるような渋柿の実が、美しい立姿を見せる季節が来た。遠くに見えるアルプスの山に初冠雪、秋色に染まった里山の端からは落ち葉を焼く煙があちこちで登るようになった。

 稲の取り入れも一息ついて、お年寄り達が冬支度に忙しくなった。悠々のお年寄り達も庭の渋柿を採ってきては、ベランダに干し柿をつるし、黄色のかりんをもらってきては、かりん酒を作って咳止めの特効薬の準備に忙しい。

 山奥に住む炭焼きのMさんは今年も備長炭に負けないと自慢の上等な炭を持ってきてくれるだろうか、健康で炭を焼けるだろうかと年々お年を増す身を想う。

 さて今年も冬が近づいて、悠々の入居者に変化が現れた。組合員の中でも90歳を超える方々が現れ、冬の雪に閉じ込められた時、雪かきをして幹線道路(ここまでは村が大型ショベルカーを駆使して除雪をしてくれる)まで出られなくなるとの予測から、冬季入居のお申し込みが増えた。時あたかも重要介護者しか介護保険施設に入れないとの締め付けが浸透してきたからでもあろうか。村役場の福祉課からご紹介を受けて、お年寄りを連れたご家族が見学に見えるようになった。

 その少し前から昼間独居になる重度障碍者のM.K.さんや、難病を発症したM.S.さんが悠々に昼間だけ身を寄せられ、賑やかな笑い声に包まれるような雰囲気に引かれるように(その人たちのお見舞いに悠々を訪れることで悠々の温かさが口コミで広がっているようだが)村の60代、70代の青年たち(それぞれにお年寄りを抱えていたりする)が、悠々を直に見学する機会を得て、一気に様子が変わってきた。 空き部屋の確認をして、急いで予約をしたいという。悠々の空き部屋は二人部屋は満室、永住入居の方々の一人お部屋は二つ、昼間のみ利用のデイの方用には一つが開いているだけである。

 畳コーナーにも入れるといった見学者がいたが、そんなところでは心豊かな老年を到底送れないだろうとの判断からお断りしている。そして身分の隔てなく悠々は先着順である。

 昨日も、お試しお泊りをした独居のS.H.さんが一晩で気に入って、迎えに来た息子さんに「ここにずーっと居たい。もう彼方此方には行きたくない」とおしゃって、お部屋の予約をして「家族で話し合ってきます」とおしゃって帰られた。

 

 9年目の総会は今月23日である。組合員の方々に「俺たちの配当金を払えないような経営状態の責任をどうとるか」というお言葉を覚悟していたが、赤字の言い訳は、この様子では何とかなる(損益分岐点は6,7人の利用者)と言えるだろうか。

 

 長い間この日を待っていたような気もするが、この日を迎えてしまえば短かったような気もする。昔開設時に村長から「だいだらぼっちは、村民に理解されるのに20年かかったからね」と言われたことをまた思い出し、噛みしめたところである。 

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