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風の谷〜泰阜村   
   山の民たちの重い枷について

 冬支度が始まった。村役の一つ道路愛護である。前日の雨で重くなった濡れ落ち葉を、すべての村道と側溝から掻き出して山に返す作業であった。今年は我が限界集落(9戸)のうち、2戸の戸主が重い障害と難治性の病を負ったため、力仕事をする男手を失った。その上今回は大事な所用でもう一戸がご夫婦で出かけられるということで、男手が3人も欠け、代わりに出てきた女衆が集まって皆が顔を見合わせた。急坂な山道を走る村道いっぱいに降り積もった落ち葉は、膝上までの深さの側溝に詰まり、いつもの軽愚痴を叩くものは誰もいず黙々と作業を続けた。みんな知っている。この落ち葉を撫でるように掃き清めておかなければ、雪が来て道路の落ち葉の上に降り積もったとき、落ち葉とともに急坂な坂道を谷底まで滑り落ちてしまうことを。

 しかしそれを知っている1戸の方は、事前にご夫婦で随分たくさんの範囲を掃き清めていたのだが、何が何が、二、三日風が吹き雨が降って、すっかりもとに戻っていたのだったが、その気持ちを汲んで誰も何一つ文句を言うものはいない。

 

 

 今回は村からも応援があって、がけ崩れの岩を重機で片付けてあり、女手で片付ける重労働がなくて皆でホット吐息をついた。

振り返れば10年前はみな若かったな〜とつくづく思う。一山をぐるりと回る村道+県道+山中深く走っている井水+神社+大峰山公園(+参道)一体何キロあるのだろうか。腰をかがめ湿った落ち葉を側溝からすべて掻き出して、箕(み・穀類をあおって殻・塵などを分け取り除く農具.竹・藤・桜などの皮を編んで作る)に入れて中腰で山に返すこの作業は、人手もなくお金もない貧しい村の村役という名の税金である。この緑豊かな自然に恵まれた美しい国・日本の7割を占める山々は、そこに住む今は年老いた村人たちの重労働によって守られていることを一体何人の国民が知っているのだろうか.村にいる限り死ぬまで続く重い枷を嫌がって若者たちが村から出ていくというが、都会でお金を払って筋力トレーニングやジョギングを楽しんでいる人たちに届いているのだろうか。あなたたちの吸っている酸素が、この山々の緑から届けられていることを!この度聞こえてくる環境税という増税から、私たち山の民には除外してもらいたい!!

 安倍さん.お願いがあります.もっともっと自分の国民の苦しみについて深い理解と愛情を注いでください。私たちは今あたりまえのように村を守っていますが、年老いて(現在80代が3割、70代4割、60代2割)年寄りが居なくなってしまったら、日本の国から豊かな緑はおそらく無くなってしまうのでしょうから。

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