2017.04.25 Tuesday
風の谷〜泰阜村
田本神社・春の大祭
泰阜村に春の花々が咲き乱れ、晴れ上がった空に小鳥の囀りが響きわたる集落の真ん中にある田本神社で、今年も春の大祭が執り行われた。我が部落に祭りの宿六の大役が回ってきて、早朝から男も女も祭りの準備に駆り出された。この神社は本殿2棟、棟札2枚、神寶類16点、石造物10点が村指定有形文化財に指定されているものだ。神社の真向かいには大峰山の山城が聳え立ち、水張の始まった棚田を見守っているのが伺える。地元のもう年よりしかいなくなった集落だが、春と秋の例大祭には、今年生まれた孫たちのお宮参りが行われ、村人たちに披露されわが村の宝物のように祝福されるものだ。今年はその孫たちのお宮参りが一人もなく、寂しさが募った。祭りの後の直会(なおらい)の席の話題は、自然に「次の秋の祭りにはどこの嫁さんの腹の中の子が見られるかの〜」とのお年寄りからの切実な声が聞かれた。若い命の誕生は、我が集落にとって何物にも代えがたい寶なのだと思い知った祭りであった。
その宝物が成長して小学生になった女の子は、祭りのメインイベントである「浦安の舞」の巫女さんに選ばれ、そのあどけない舞が奉納される。地域の人々はこの祭りを通して、小さな小さな集落の命の繋がりが、地元の神々に見守られていることを体験する。その祭りを通して、地域の絆を肌で感じるのかもしれない。
村の現状が痛いほど伝わってきました。私が住む池田町はなんとか1万人余の人口を維持しています。町をあげて人口増に取り組んでいるようですが、なかなか。高瀬川をはさんで対岸の松川村(安曇野ちひろ美術館、男性の平均寿命日本一)では目標だった1万人に達したことがありましたが、現在は1万人をきって、これまた松川村も人口増の取り組みに必死の様です。