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風の谷〜泰阜村
山里の梅雨景色

 昨今の気候変動の中で、山里のお年寄りたちの頭の中は、いつものように梅雨には雨がしとしと降り、夏が来たらカァ〜と暑いお日様が照ってくれるのだろうかとの不安でいっぱいである。昨日梅雨入り宣言をニュースで知り、「あ〜やっと今年も梅雨に入ったか」と誰ともなしに安堵のつぶやきを口にする。昨日から降り続いた雨に、田畑が森が、しっとりと緑色を濃くして大きく息をしている気配がする。花の村泰阜は、道端沿いにキバナコスモスが一斉に顔を並べ、垣根越しにはに花菖蒲の色鮮やかな紫が見える。緑の森の中では、ヤマボウシが白色の清楚な花をひっそりと散らばせ、ヤマユリたちが一斉にピンク色の蕾を膨らませた。「栴檀は双葉より芳し」と歌に詠まれた栴檀の小さな紫色の花に包まれたことがあるだろうか。

 泰阜の山里が四季折々の花で包まれる花の里であることを、住民はあまりにも当たり前でたいして感動もしないが、都会育ちのものにとってここは秘境そのものである。

 昨日は、知り合いの方から「梅畑の梅を取りにおいで」とお声をかけていただき、我がスタッフが収穫前の立派な小梅を捥ぎにいった。20kgも採ってきて、双袋の重そうな米袋を食堂のテーブルに広げ早速、入居者のお年寄り、スタッフ、デイサロンのお年寄りたちが、「この小梅を塩漬けにしようか」、「砂糖づけにしてカリカリと食べたいね」、「大梅が取れたら梅肉エキスを作ろうか」、「いやいやあれは、土鍋で何日もかけてとろとろとつきっきりで炊かんといかんから、大変だぞ〜」「あれはどこの家でもかならず作っとったで〜」「昔は腹が減っとったで、子供らは皆青梅をちぎってポケットに入れておやつに食べとったもんだ」と喧々諤々のおしゃべりに花が咲いていた。

 

 

 この村の昔の暮らしがいかに貧しかったか、それをどのように搔い潜って生きてきたかを垣間見た瞬間であった。

そのおしゃべりを大切に心に留めながら、この村の人々たちは、この大自然の寶物さえあれば、どんな災害が起こっても生き残ることができると密やかに確信した。

コメント

「花の村泰阜は、道端沿いにキバナコスモスが一斉に顔を並べ、垣根越しにはに花菖蒲の色鮮やかな紫が見える。緑の森の中では、ヤマボウシが白色の清楚な花をひっそりと散らばせ、ヤマユリたちが一斉にピンク色の蕾を膨らませた。「栴檀は双葉より芳し」と歌に詠まれた栴檀の小さな紫色の花に包まれたことがあるだろうか。」

 花の泰阜村、いいですねえ。本田さんの「確信」もいいですねえ。
  • 加藤充子
  • 2017/06/11 3:43 PM
加藤さん いつもお優しいお心配り本当に感謝です!
一昨日温泉で名高い阿智村の皆様の視察をお受けいたしました。介護保険制度の頸木を逃れてお年寄りのお世話をするには、とてつもない覚悟と勇気が必要であると気づかれました。「幸せな老後の暮らし」は口を開けて待っていれば降ってくるのではないということを改めて確認した出会いでございました。
  • 本田玖美子
  • 2017/06/11 6:52 PM
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