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風の谷〜泰阜村
    理事長の後継ぎ現る?

 近年、台風の被害が甚大になった。昔から地震・雷・家事・親父と恐れらていたことが耳に残っているが、最近の地震の壊滅的な事、台風被害の目を覆うばかりの甚大な被害、それがいつ起こっても不思議はない地に住んでいるのだと改めて思い知ることが、すぐ近くに迫っていることを皆口にするようになった。戦争は人の手によるものである。だから人が食い止めねばならぬものではないか?と思う。しかしこの自然の脅威はもっと恐れるべきではないのか?世界の中でも小さな国の中に入るこの日本が・・・そして平和で豊かな国日本が、一瞬で壊滅的な被害を受けることから人はどのように備えればよいのかを思う。

 秋風が吹き、ススキの穂が揺れ、山百合が道端の崖に真っ白な花を一斉に咲かせ、萩、女郎花が山里を彩る時が来た。悠々の庭にもコスモスの花が咲き乱れ、赤とんぼの群れが真っ青な空いっぱいに群れ飛ぶ最も美しい時を迎えた。

 そして嬉しいニュースが一つもたらされた。

 泰阜村のこの小さな村の宝物である泰阜中学校2年生が、毎年村の各種職場で職場体験をする恒例の「キャリアデー(3日間)」がある。我が悠々にも、朝9時から午後4時半までの時間スタッフとともにお年寄りたちのお世話をするのだが、この時を悠々のお年寄りがどれほど待ち望んでいるかをその目で見て、スタッフは驚異の顔を見合わせる。

 慣れぬ手で髭剃りをしてもらう時のあのおじいちゃまのトロリンとした顔、お茶の時間に重度認知症のおばあちゃまたち(複数いるので)の争うように語る(2分と持たない)昔ばなし(自慢が多い)を、飽きることなく不思議なものを見るような顔をして聞いてくれる子供たちを、どれほど喜びをもって愛おしいと感じるしぐさを見せるか・・・、私たちスタッフが到底真似できない技である。

 その子供たちの一人が「僕は悠々に就職したい」と言って、高校の福祉コースに進んだと聞いていたが、この度N福祉大学に入学したと村の職員から伺って仰天した。この悠々が子供たちの心をつかんだのだ。この理事長、キャリアデーの最後には必ず「在宅福祉の村泰阜に帰ってきてね。もし気に入ったら理事長として迎えるから、この悠々に帰ってきてね!」

 かなわぬ願いと知りながら、そう繰り返して送り出したことを思い出した。

3K職場と揶揄される福祉現場に、あの子たちが帰ってきたとき、福祉の仕事が誇りをもって迎えられるように精進しなければと心したことであった。あと何年待つのか・・・大学4年、それまでちゃんとした給料で迎えられるようにと祈るような思いである。

 もう一つ、大学時代の教え子が「年老いた両親を連れて泰阜村に移住しようかな」「悠々でやりがいのある福祉の仕事に就きたいな」という。やりがいのある仕事・・・ともに暮らす家族のようなお年寄りの笑顔に包まれて働きたいとその方々は言う。

これ以上嬉しい報いがこの世にあるのだろうか。たとえ無給でも私がやってきたことは有り余るほどの報いを受けている。

 返すに「感謝!」以外にはないが・・・

  

コメント
文面からうれしさがあふれていて、私もうれしくて繰り返し読んでしまいました!本田さんの熱い思いのメッセージが、みずみずしい生徒たちの琴線に触れ、光が見えだしていることに希望を感じます。

 ここ数年の世界的な自然災害のひどさに怖れを感じています。国内でも被災者の言葉に、「こんなことは初めて」という文言が散見しています。私が住んでいる場所は、小高い丘のような子山を後ろに控え、ひとたび一極集中のごとき大雨が降れば、おそらくひとたまりもないと想像しています。「今日もつつがなく過ごせてよかった」と、眠りにつくときに感謝せずにはおれません。

 世情も大変な状況で不安の募る昨今ではありますが、季節はまちがいなく巡り、泰阜の野山の花々を思い浮かべ、悠々の庭に咲いているコスモスを目に浮かべて、心安らいでいます。
  • 加藤充子
  • 2017/09/04 10:59 AM
この度もお優しいお言葉を有難うございます。この私がブログを書き始めてもう8年ほど経っていますが、コメントをお寄せいただくのは加藤様お一人でした。
このお言葉が、果て無い戦いを孤軍奮闘していると思い込んでいる私に、共感していてくださるお仲間の存在を確かにしてくださっています。感謝しかありません。16歳になるパピヨンのペットが急性膵炎で毎日往復4時間かけて点滴治療を続けています。毎日夜中に家中に血の滴るような便を出し続けています。その合間に日常が続いています。祈っていてくださいね。
  • 本田玖美子
  • 2017/09/06 6:37 AM
パピヨンの回復をお祈りしています。パピヨンの記憶は私の中では薄いのですが、悠々をお訪ねした時に走り回っていたあの犬のことと思います。きっと入居者から可愛がられていた存在なのですね。
  • 加藤充子
  • 2017/09/07 11:29 AM
そうです。私の孤軍奮闘に影のように寄り添っていてくれたカレンです。彼女無しにはここまでこれませんでした。今私はただ祈る以外、何一つなしえない存在なのだと知りました。
  • 本田玖美子
  • 2017/09/07 4:21 PM
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