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風の谷〜泰阜村    
   錦秋の風の中を悠々にも新たな風の予感

 アルプスに囲まれた伊奈谷の棚田に稲架かけ米が並んで、見事な秋が無事にやってきた。異常気象の中で、貧しい村のお年寄りたちが今年の稲の収穫を本当に心配していた。この稲刈りが終わりホットする頃矢継ぎ早にやってくるのが、村民大運動会である(先週秋晴れの中終了した)。明後日は秋祭りである。しかし近年の高齢化で、この秋まつりにやってくるのが神社部の担当者と宿六さんという下働きをする当番にあたった部落の年寄りたちのみである。昔は村で生まれた子供や孫たちのお宮参りで賑やかだった。今は伝統文化を自分の代で絶やしてはならぬと、頑張っている年寄りたちがよろよろとやっている。

 一時の賑やかさは、近くに住む山村留学の都会の子供たちが、境内に撒かれるお菓子を目当てにわぁ〜とやってきて、さぁ〜と潮の引くように消えてしまうという寂しさである。子供の姿が見えないお祭りなんて、青年たちがワッセワッセとやる姿が見えないなんて祭りか!と問いたい。

 さて、それでも泰阜の伊那谷の秋の風情の美しさは何物にも代えがたい美しさがある。その中を吹き渡る風の芳しさはこれまた口に言えない。

 その中にあって、最近悠々にも新しい風が吹く気配を感じるようになった。毎日のように入居のお問い合わせを頂くようになったのである。問い合わせの条件がこれも皆一応に決まっていて、まず/涜欧鬚い蹐鵑覆海函壁袖い虜歸)で呼び出さない事、△金は定額の税込17万円から請求しない事、F居は特養の順番が決まるまでの期間 ということである。

 「つまりは、手間のかかる年寄りを捨てたいということか?」とじっと目を見ながら聞いてみた。すると大慌てで「いえいえそんな気持ちはかけらもありません。一生しっかりと面倒を見るつもりです。しかしこの人を施設に入れたら、私は女中のような仕事から解放されたい。この人が駄目になってしまったのでお金はやっと自分の自由になった。私も人生を楽しみたい・・・」と言われた。

 気持ちはわかる。そうだろうと思う。女は楽しむ暇もなく奴隷のように男の暴力的な言動に振り回されてきたものだ。

しかし、気持ちはわかるが、我が悠々のスタッフをその代理としてお引き受けすることはできない、とは理事長の堅い決意である。

 

毎日のようにお問い合わせ頂く方が、揃いも揃って「男性・認知症要介護3」80代後半〜90代の方の介護者からの悲鳴である。その上今小規模多機能を利用しているが、「もう看れないと言われた。特養の順番が回ってくるまでのショートで・・・」という事である。「どうして小規模多機能で認知症要介護3の方がお断りされるのでしょうか」と問うと、夜間の問題行動を管理するケア担当者を確保できない(人材的にも・経営的にも)ということである。

 悠々はでは、当直のボランティアさん(男性)を願いしている。ケア担当者ではないので、夜中に問題が起こったら即座にスタッフを呼び出す仕組みになっている。スタッフは悠々の近隣5分以内の在住者である。

 そして経営的には、この二人のボランティアさんの手当てを捻出するため、この10年間の理事長の報酬は無給である。

悠々にも新しい風が吹いてきた予感!しかし悠々は、お年寄りをゴミを捨てるように放り出される場ではない!近隣のお年寄りたちと家族のように暮らしている「地域のコミュニティーセンター+食堂+ケア付き民宿」である。したがって永住入居者の専用施設ではないので、あらためてご紹介を!

 

コメント
 秋祭りの情景が目に浮かんできます。
 
 それにつけても今回、ーーーつまりは、手間のかかる年寄りを捨てたいということか?」とじっと目を見ながら聞いてみた。ーーーという、ここまではっきりいう本田さんの言葉に圧倒されました。あの柔和な本田さんの笑顔しか思い浮かばない私ですから。

 でもこの言葉は、ーーー悠々は、お年寄りをゴミを捨てるように放り出される場ではない!近隣のお年寄りたちと家族のように暮らしている「地域のコミュニティーセンター+食堂+ケア付き民宿」である。したがって永住入居者の専用施設ではないーーーという本田さんの思いに裏打ちされた言葉なのですね。無給で悠々を運営している本田さんは筋金入りの人。介護される人にどこまでも寄り添う本田さんの心根が、痛いほど伝わってきました。

  • 加藤充子
  • 2017/10/14 11:29 AM
加藤さん
 お言葉を有難う!たとえ要介護3の認知症でも、今まで食べさせてもらった恩というのはあるのではないか。認知症になってどうして妻がこんなに怒っているのか理解できない夫を見て、心が痛んだのです。妻が居なくなったらきっと妻を求めて追うのです。どのようにされても夫は妻に傍にいてもらいたいものなのです。それを思って涙が出そうになりました。悠々は家族に代わることはできないのですから・・・
  • 本田玖美子
  • 2017/10/15 6:24 AM
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