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風の谷〜泰阜村   
理事長の腹の括り方

「悠々」での Kさんの「夜間徘徊」が一日で止まった. ついでに「悪口雑言」も収まった.

 私たちがやったことは,理事長が朝一番に自室に飛んでいって,
 「おはよう!昨日はよく眠れましたか?調子はどうだった?」とゆっくりと話を聞いたこと.
 お風呂から上がったとき,お茶を飲みながらゆっくりと髪のブラッシングをしながら話を聞いたこと,
 お食事のときもお茶のときも 傍らに座って一緒に過ごしたことだった.
 妄想も 幻覚も 悪口雑言も 「お母さんが傍にいてくれれば必要がない」のだろう.

認知症が重篤となってから 見知らぬ場所に移されて 見知らぬ人々のあいだに
 一人生きていかねばならないのは Kさんにとって「どんなに不安だろう」 と思い知った.

私たちがKさんにできることは,行為としての食事が自立、排泄が自立(ときに失敗してパンツが隠してあるが)歩行器歩行が自立していると「細やかな思いやり」が手薄になると気づくことである。

重度の認知症の方への支援は
対象者自身が「母のようにいつも見守ってくれる人が傍にいて,愛されていることを実感できること」   
 なのであろう.まるで幼子がそうであるように・・・・・

理事長は どんなに忙しくても
 こうやって スタッフと入居者のお年寄りを守らねばならないのだ と 腹を括った.

風の谷〜泰阜村  
認知症 考

突然始まったKさんの夜間徘徊について ずっと考え続けていた.
 考えて 考えて はっと気づいたことがある.
Kさんのお世話をしている「悠々」の側には 何かKさんを不安にさせるような事がなかったか?

1. この1ヶ月前から理事長は 公私共に忙しかった.
2.毎週のように視察・見学者が出入りしていた.
3.入居者のおひとりが入院中に腸内感染し、排菌+のまま帰ってきたため 赤ちゃんを抱えているスタッフが3人急遽辞められた.
4.4日前 中心的存在のスタッフががんに倒れられ、当分治療に専念することになって「悠々」が動揺した.

Kさんは この「悠々」の危機的状況に 反応なさったのだった!
この重要な時期に 理事長が浮き足立っていてはならなかったのだ.
 腹を据えて スタッフも 大切なお年よりをも 守らなくてはならない と悟った.
Kさん ごめんね. 明日から もっともっと皆でKさんのこと大切にするからね!

風の谷〜泰阜村   
認知症 夜間徘徊 考

 昨日までの猛暑がまるで嘘かと思われるほどの「悠々」に涼風が吹き通っている.
 お年寄りたちも 薄い半袖からあわてて長袖ブラウスにチェンジして, 久しぶりのお湿りに ほっと一息入れる.
泰阜の里山の緑も,棚田の苗も今日の雨をうけて元気に見える.
 悠々の芝生も一面に緑が広がり,ベランダのプランターのなすやキュウリ,トマトが この雨でぐっと大きくなったのが見える.  ついでにかぼちゃの日よけも 大きな葉っぱを広げながらぐんぐん伸びているようだ.

この6月に入所されたKさん89歳(要介護1)の夜間徘徊が本格的に始まった.
 妄想も酷くなり,昼のお茶の時間に他の入居者が付き合わされている.自室のTVの後ろに隠れている馬小屋(馬がお産した事件で大騒ぎ)で展開される出来事である.他のお年寄りの「夢を見たんだに」という一言に,「本気にしない」と言ってぷんぷん怒っている.
 理事長始めスタッフは Kさんのその話の切れ間をさっと掴んで,燕のヒナの話、なすが一つ大きくなって今晩はどんななす料理にしようかと,話題の切り替えに機転を利かせる.これが高級テクニックで,他のお年寄りがその話に乗らないと,あっという間に 馬小屋の話に引き戻されてしまう.
 お陰様でスタッフは多勢なので 「三人寄れば文殊の知恵」と ない知恵を振り絞っている.
ところが夜中の宿直が寝静まった時間帯に歩き回られる「徘徊」には少々参ってしまった.
 まさに夜間のスタッフの手薄は「悠々」の弱点だからである.部屋の内側から鍵をかけておいてももちろん自分で開けられるし, 寝込んでいる他の入居者の部屋に入ってしまうらしいし.困った!本当に困った!
これまで守ってきた「悠々」の基本理念
 「縛らない」「閉じ込めない(鍵を掛けない)」「怒らない」「薬で眠らさない」等の原則が試されている.
とりあえず各部屋の屋外への引き戸はダブルロック,施設入口の自動扉は厳重な鍵の確認を当直者に依頼.
突然の闖入で眠りを妨げられるお年寄りには,ひたすら事情を説明して謝った.
加えて入居前主治医と相談して与っている安定剤を,夜飲んでもらおうか ということになり,顧問医師に相談する事になった.

入居前の病院では車いすにY字ベルトを施されていたとか・・・・・・・
「悠々」では何の拘束もなく過ごしているKさんは,穏やかに自室で過ごしているかに見えたけれど,
いよい強烈パンチの利いた悪口雑言をなんとかかわしたり, 笑い飛ばしたりして お付き合いしてきた限界かと 弱音を吐いてしまう.要介護1のお年寄りのケアの何とも重い事か.
明日は「悠々」に 穏やかな一日が来ますように・・・・・

 

風の谷〜泰阜村  
 第5期介護保険事業計画 考

 山合いの里 泰阜村でも 熱中症の噂を耳にする季節になった. 
 村のお年寄りは 日差しの厳しい午前11時から午後4時ごろまでは野良仕事をしないで家の中でじーっと 昼寝をしてこの暑さをやり過ごす.
そのかわり朝は4時にはおきて田畑の手入れや庭の草取りに精を出す.
何十年も続いた普通の風景である.

最近 あまりの暑さに耐えかね,お友達を誘い合い「悠々」にやってきて,お昼を食べてからゴロリと横になっておしゃべりをしたり,TVをみたりして,ゆっくりと涼んで夕方帰るお年寄りが増えてきた.嬉しいことである.
  これこそ究極のエコ対策になっている.熱中症からお年寄りを救えるかもしれないと密かにこの自然現象を喜んでいる.

 さて このたび故あって 理事長はK市の第5期介護保険事業計画のお手伝いをすることとなった.

今回の介護保険改訂の主眼は,認知症の「介護予防」ということだった.
 2007年に実施した南信州西南地区の限界集落の半分以上のお年寄りは,「認知症」という結果がでている.

しかし我々の調査結果では,認知症にかかっているものの,住みなれた自宅で地域の人たちに見守られ,在宅サービスのヘルパーさんの助けをもらって,自宅の掃除をしたり 草取りをしながら幸せに暮らしている人が殆どだった.
 この人たちから在宅サービスの家事援助を取り上げたらどうなるか.
在宅サービスをもっと安く効率よくという方向で行くと,政策的には,これほど反対している施設入所で,集団で見るしかないのではないか.
これも調査の結果だが,現状ではデイサービスは地域の要介護者の銭湯と化しているので,認知症の人たちに適切なケアは期待できないということである.

「悠々」の利用者が口を揃えて言っているのは,「悠々では何一つあれやれ,これやれ,と言われない.自分の好きな事をして本当にゆっくりできるので,まるで家にいるようで嬉しい」ということだった.
だれもそれとは言わないが,この中にはもちろん半分以上の認知症のお年寄りが存在している.
 ひょっとして,「悠々」は究極の介護予防になっているのかもしれない.
第5期介護保険事業計画
 認知症チェックリストは出揃ったようだ.
しかしだれがこの結構個性的な認知症のお年寄りたちを抱えると言うのだろうか.どうもそこから先が見通しが付いていないらしい・・・・・・
 悠々の理事長は、今朝もこのお年寄り達が訴える仲間内の揉め事の仲裁に忙しい.
 でも ほんとうに一生懸命訴える話に耳を傾けていると,個性的で愛らしい人柄がこぼれてくる.
私の大切な人生の一時である.

風の谷〜泰阜村 
「悠々」の夏仕度

 今日から7月
 「悠々」では先週の火曜日から本格的に冷房を入れることに決定した.
入居者のお年寄りのお部屋でも30.5度を記録し,どんなに工夫しても涼しくすることが不可能で熱中症予防のため,28度に設定したお部屋で,お年寄りたちはみるみる元気を取り戻した.
 ホンの一昔前の泰阜村は,木陰に入ると山から涼風が吹き渡り涼しいのが当たり前だった.涼しすぎて寝冷えをするからと,朝晩は皆長袖を着て,部屋の戸を閉めて寝たものだった.
 クーラーのないのが当たり前のこの泰阜村で,お年寄りが熱中症にやられている.

いまさらクーラーを買う余裕もないので,いろいろ夏仕度を工夫している.
 まず,本格的な夏に突入する7月のはじめに,村中総出で夏草刈りが行われる.害虫駆除を兼ねたこの大掃除で あたり一面さっぱりと涼しげな風景にかわると, 

 夏祭りが始まる!

それぞれの家ではふすまが取り払われ,すだれや暖簾がかけられ 部屋中に風が吹き渡る.
「悠々」の北側を除いた3方向によしずが立てかけられ,西の窓には緑のカーテン(今年はなぜかきゅうりとかぼちゃになった),

心配していた89歳のKさんが,今日退院して「悠々」のお年寄り8人全員が揃った.みんな食欲あり,体調良好で安定している.

今年の夏も何とか乗り越えられるだろうか?


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