とうとう泰阜村の交流センター悠々に 本格的なリハビリ医療チームがやってきた.
ここは、組合員のための共同住宅.第二の我が家として近隣の組合員が日常的に利用している.
そのリビングの片隅を使って「地域リハビリ事業」が在宅訪問リハビリとしてスタートした.
今日の参加者6人の中には,リハビリに縁のなかった人たちが3人いた.
「リハビリって何?」と聞くと,「痛いところに湿布して、電気鍼をかけて、マッサージだろ?あんなのは何にも効かん」がこの地域の大方の声.
この地域のリハビリ医療ニーズの殆どは,過酷な労働による骨・関節の変形による痛みと,自己流治療法による誤用と,診断も治療もされずどんどん重度化しているさまざまな疾患.
加えて「痛み」というわけのわからない「未知の恐ろしい体験」への恐怖,が中心となっている。
その道の専門リハビリ医療スタッフが 初めて本格的なリハビリ治療に乗り出した.
今回のリハビリ医療スタッフは,
リハビリ専門医(Dr.)理学療法士(PT.義肢装具士.)作業療法士(OT.)医療ソーシャルワーカー(MSW.)の4人.
その他必要に応じて依頼するリハビリスタッフとして,
言語聴覚士(ST.)臨床心理士(CP.)一級建築士,大工,臨床工学士等の方々.
今回から始まった地域リハビリ事業は以下のようなプログラムで実施を計画している.
1)【リハビリ専門医】の評価を受ける(最初は病院での診察が必要)
・その人の生活全体の中から基本的な健康チェックをし、隠れた障害がないか評価する.
・必要に応じて,主治医の先生や専門の先生へご連絡・ご紹介する.
・体と心の健康のための治療方針をたて,それぞれの療法士に治療方針と治療指示書を出す.
・くらしのうえの養生について一般的にご指導する.
・病気について,正しい知識をお伝えする.
2)【理学療法士】は
・身体機能の中で特に移動や活動に伴う動作に支障をきたす 身体的な障害に対して、機能回復訓練/自宅での自主訓練指導をする.
・杖・靴・サポーターなどの導入/修正.
3)【作業療法士】は
・身体機能障害による日常生活・仕事における不便への対応方法を,具体的にご指導する.
例:手のうごきが悪い方への適当な箸・スプーンの紹介.
膝が痛くてコタツから立ち上がりが困難な方への適当な道具の紹介.
・主に上半身,手/肩の障害の方への機能回復訓練.
・物忘れ/気持ちの落ち込みなどでお困りの方の評価と治療.
4)【医療ソーシャルワーカー】は
・暮らしの中の不便や人間関係などの困りごと「生活相談」.
・さまざまな制度サービスの利用のしかたについてアドバイス.
・暮らしの中で抱えている不安や悩み等への相談・援助.
5)【言語聴覚士】は
・飲み込みの障害,言葉の不便に対して指導訓練します.
6)【臨床心理士】は
・認知症の評価と治療について訓練します.
参加者の感想:
「本当のリハビリをはじめて受けてびっくりした。腰の痛みや、膝の痛みが軽くなった.鍼やマッサージとは違う治療法で効果を感じた」
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