ブログ

風の谷〜泰阜村  
 泰阜の見送り

 7月19日泰阜村の村人たちは
95歳のおばあちゃんを見送った。おばあちゃんを知る村人の多くが、その温かで穏やかな人柄にひかれ「いい人だった」と口にした。泰阜の村に生まれ、泰阜の尋常小学校へ通い、泰阜の家にお嫁に行ったおばあちゃんが、95年の長い人生を終えて彼岸に旅立った。
 その生涯はこの年の山村に生きる女性のすべてがそうであったように、貧しさとの厳しい戦いの日々にあっても、愚痴一つこぼさず、働き、愛し、楽しんでいたことがこの日わかった。
 戦前の泰阜の主産業であった製糸工場に30年間勤め、永年勤続表彰を受けた女性の一生は、たくさんの子供を生み育てながら、家事と野良仕事をこなし、工場で働いた日々であったという。
 脳梗塞で倒れる瞬間まで、宅老所「マーキ」の仲間に囲まれて過ごされ、たった40日間病院のベッドの中で、多くの友人との別れを惜しまれた。意識はないけれど、親しい友人の声かけに体を動かし声をあげられたとか・・・
 N.K.おばあちゃん 長い間お疲れ様でした。
日本の大変な時代に私たちの日本を守ってくださった。本当に心からの感謝と哀悼の気持ちを捧げます。

ありがとう、おばあちゃん。
 残された泰阜の子供たちを見守っていて下さい。
-----

風の谷〜泰阜村  
  梅雨の終わり

7月に突入してしまった。
6月の初めからつい先週にかけて裏山の薄暗がりは、十数本のピンクの笹百合の芳香に包まれていたのに
 もう今朝は 足もとの水路にピンクのホタルブクロが数本、道端の草むらに黄花コスモスの残り花、濃い桃色の野あざみがチラホラ、あたりは一層深くなった緑の森が広がった。
 コロコロに太った子狸が道路の真中で仲間と遊び転げ、車が近づくまで遊びに夢中。
家の前の畑に猿が1頭出現し、家の周りは加速度的に自然に戻りつつある気配を感じる。
お隣りさんが無住になってもう10年以上経つ、伸び放題の蔓や草の中に家屋が沈んでしまった。
 耕作放棄された田畑にはススキや偽アカシヤの木が繁茂、収穫されることのない梅林とキウイの棚には、目に余るほどの竹が繁殖している。
限界集落はこうやって、無責任に都会に移住していった子供たちの手によって、管理放棄され、森に戻っていくのだろうか。
 取り残された 泰阜大好住民たちは、「今年も里に熊が出るか」と、不安そうに山や森を見上げているけれど、
 土蔵荒らしの汚名を浴びた村民たちは誰もその屋敷に近ずかない。
都会に出ていった村民とその子供たちに、自分たちの村が荒廃していく様をどのように感じるのか、 
 聞いてみたい!
-----

風の谷〜泰阜村  
  泰阜村に春が来た

泰阜村に春が来た
棚田に水が張られ 元気な苗たちが田植えを待っている
遠いアルプスの山の頂きには白い残雪が望めるけれど
泰阜の里山は満開の桜でピンク色

 

泰阜の人々がどれほど花が好きか 
 この村の桜は「桜守」たちに守られているなどとは ついぞ知らなかった
 昨年の冬の小雪のちらつく中を 一群の古老たちの姿を見て
 何が始まるのかと伺うと 桜の手入れをするのだという
 病虫害にやられた枝を剪定し その根本にしっかりと肥料を施すのだという
そんな隠れた桜を愛するお年寄りたちに見守られ育まれて 

 今 泰阜村の桜は1本1本が元気で 見事な盛りを誇っている

人口2000人を切った観光地でもない泰阜の
 何人の人々がこの桜を愛でるのか だれも数えたことはないけれど
 ひょいとこの村を訪ねた訪問者が その贅沢さに圧倒されることだろう

泰阜村には今も桜守が居て
 ほんの一握りの人たちのために 雪の中 桜を守っていることを
 私は誇りに思う
後期高齢者医療制度が始まる。
 泰阜村の3万円の国民健康保険遺族年金で暮らしている
 多くのお年寄りたちは
21世紀の日本で
 貧しさのために医療を受けることもなく
 死んで行かなくてはならない
このように誠実に一生懸命生きてきた 自分たちの大切な親や祖父母たちを見殺しにするような
 このような日本に一体だれがしたのか 聞きたい
-----

風の谷〜泰阜村  
 泰阜の春

昨日 第4回交流事業が終わりました.
今回のメインイベントは、東京江東区からお招きした田中秀樹さん
  ・江東区障害者・児の生活を豊かにする事業団体連絡会 会長
  ・社会福祉法人ゆめグループ福祉会 理事 ほか多数
 講演のテーマは
 「いろんな障害があっても、住み慣れた地域で働き、
       生活したいという願いを実現するために」
 
 聴講した参加者は、お話が終わっても田中さんの傍を離れず、熱心に質問をしていました。その一つ一つに丁寧に答えられて示唆と希望を与えてくださったことに、心から感謝申し上げます。
今回の参加者は
 ・飯田・下伊那地区の障害児を抱えたお母さんとお父さん、そして元気な子供たちと、泰阜までの曲がりくねった山道で体調を崩 

  した子供たち。この人たちは泰阜福祉塾の力強いリピーター
 ・それからこのお母さんたちをいつも応援しているおばあちゃん2名
 ・今回もこの会に華を添えてくれた、飯田女子短期大学看護学科の美女たち4人
 ・はるばる泊まりがけで様子を見に来てくれた私の恩師ご夫妻
 ・泰阜出身で近じかUターンして山林再生プロジェクトを計画中の紳士
 ・箕輪町で地域再生のために活躍中の紳士
 ・飯田市の高校教師
 ・阿南学園の職員さんと利用者さん(学園の利用者さんたちの手工芸作品を特別出店してくださった)
そしてなによりもこの事業の成功を、陰でサポートしてくださった
 ・高齢者協同企業組合の理事の皆様とその奥様達
休日返上でかけずりまわって準備してくださった
  ・役場職員のIさん、Sさん
  ・会場のあさぎり館の管理人さん
  ・泰阜村の若者応援団第一号のHさん
  ・Hさんに共鳴し泊まりがけで天竜村から駆けつけてくれた若者2名
最後に休日をすべて費やし
  ・22日夜の医療相談会に遅くまで参加してくれた夫に

 

 これらの参加者とお手伝いくださったスタッフのすべての皆様に、心からの感謝の気持ちでいっぱいです。
交流事業を重ねるたびに、私の小ささと至らなさを実感させられます。そしてあまりにも多くの人々の善意に支えられて(凝縮して)ひとつの交流事業が実現する過程のすごさに圧倒されています。
 高齢者共同住宅の完成と事業の開設まで1年を切りました。これからどれほど多くの人々の善意のお気持ちが集まるのか

想像もできませんが、その日まで、事業の準備を無事に果たせますよう祈り続けたいと思います。
-----

風の谷〜泰阜村   
高齢者協同企業組合許認可下りる

今朝 電話で朗報が入った。
 高齢者のための共同住宅を、泰阜村の南地区につくりたいと言う願いが、4年がかりで叶った。
この願いは、20年ほど前藤田保健衛生大学リハビリテーション科での7年間と、それに続く東京都リハビリ病院での3年間の医療ソーシャルワーカーとしての臨床経験、それに続く高崎健康福祉大学社会福祉学部研究者としての経験に基づき、
「介護保険では、ご不自由をかかえた障害者を在宅には戻せない」という確信につき動かされたからである。
 では今、何が足りないのか。
 患者さんたちが共通して願うのは、まず第一に、食事とトイレは自分でしたいということである。そして普通の暮らしをしたいことである。それを叶えるには、地域の仲間たちの支え合いと生活の中に継続したリハビリが必要である。
 普通の健常者は皆知らないが、ある老人介護施設で起っていることがある。
 食事の時間になると、たとえ自分で手が使えても、一人で食べることは許されない。ぼろぼろこぼし汚くて、時間がかかるからである。
 一人の介助者の前に、4〜5人の入所者が並ばされ、それぞれの前に置かれたどんぶりから、食べ物をスプーンですくって自分の口に放り込まれるのを、順番に口をあけて食べねばならない。
 どんぶりに入っているのは、その日のご飯と汁物とおかずと漬物が混ぜ合わされ、粉くすりがかけてある。
 勇気ある一人の入所者がそれを吐き出したところ、吐き出されたものをもう一度すくって口の中に放り込まれたそうである。その施設に働く人たちの中には、それが間違っていると知っているものもいるが、だれも入所者のために声を上げるものはいなかった。実習学生たちは、そのことに苦しみ福祉を辞めたいと泣いた。
 それに似たようなことが重なって、なんとかしたいと思った私は、結果としていま泰阜村にいることになった。

 

 泰阜村の「地域交流センター」に集う人たちには、どんなに障害があっても、そして貧しくても、笑顔と笑い声が聞こえる場所にしたい。これが、私の唯一つの願いである。
 私は今日、このことをもう一度こころに誓った。
-----


新着エントリー

カテゴリ

月別アーカイブ

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
<< February 2020 >>

コメント

  • 風の谷〜泰阜村   第12回通常総会 総括(1)
    本田玖美子
  • 風の谷〜泰阜村   第12回通常総会 総括(1)
    加藤充子
  • 風の谷〜泰阜村 第12回通常総会…「悠々」存立の意義を問われて
    本田玖美子
  • 風の谷〜泰阜村 第12回通常総会…「悠々」存立の意義を問われて
    加藤充子
  • 風の谷〜泰阜村 第12回通常総会…「悠々」存立の意義を問われて
    本田玖美子
  • 風の谷〜泰阜村 第12回通常総会…「悠々」存立の意義を問われて
    加藤充子
  • 風の谷〜泰阜村       99歳お婆様「悠々」入居顛末
    本田玖美子
  • 風の谷〜泰阜村       99歳お婆様「悠々」入居顛末
    加藤充子
  • 風の谷〜泰阜村       99歳お婆様「悠々」入居顛末
    本田玖美子
  • 風の谷〜泰阜村       99歳お婆様「悠々」入居顛末
    加藤充子

RSS配信中

携帯アクセス

qrcode