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風の谷〜泰阜村
 春の雪

伊那谷の泰阜村に降る雪は 重くシャーベットのように湿っている.
 薪小屋に積まれた残り少なくなった薪を心配しながら,春になったら、○○で摘み草をしようね. プランターに花を植えようね.
 庭の隅を耕して野菜を植えよう・・・と,入居者と一緒に春の計画に余念がない.
I さん91 歳(要介護2)が入居して40日が経った.
 長い間独居だった I さんとの暮らしは 本当に楽しい!
 40日前は紙オムツと尿取りパットを,朝夕2回ヘルパーさんに取り替えて貰っていたのに,この1週間殆ど自力でシャワートイレを使いこなしている(歩行器歩行).気が向くと,悠々の交流サロンに出入りして,
「面白そうな話に私も入れてもらおうと出てきたのに,もう帰るのかい?」と訪問者を引き止めたりしている.
突然とっとと自室から出てきたので,「何か御用でしたか」と聞くと,
「電話がなっていたので、電話番ぐらいしようかと思って」とか,「カーテンでも引こうかと思ったのよ」といって、

 私たちの度肝を抜いている.
入居当初は,「I さん、おトイレはどうですか」と声かけするスタッフに,
 「この人は顔を見るとトイレトイレと言う,私はトイレばあさんじゃない!」と言ったとか・・・
私たちはこれを機会に深く反省し,トイレ誘導をしないことにした.
そのかわり,理事長はトイレ誘導したくなる理由について説明した.
 「検査の結果 I さんには尿路感染があって,お尻を清潔に保つことが必要だと先生からご指導を受けたの.そのためにお茶をたくさん飲んで,おしっこをたくさん出してお尻を清潔にしておくために神経質になっていたの.十分な説明をしないで勝手におトイレ介助をしようとしていた事を許してくださいね.もし I さんさえよかったら,私たちにも手助けさせてください.」
 それからIさんは「わかりました.よろしくお願いします」と 納得して私たちの介助を受け入れるようになった.
 1週間も立たないうちに I さんは,前述のようにトイレに自分で行くようになり,尿意・便意が復活した.
 かつてこの I さんは,大勢の使用人に取り囲まれて育ったのだと聞いた.誇り高い I さんを授かって,私たちは本当のケアとは何かを学んでいるような気がする.

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風の谷〜泰阜村 
 91歳悠々おばあちゃんの雪見温泉浴

日本中を襲っている激烈大寒波!
 暖かなはずの悠々も薪ストーブ前から離れられないほど寒く,今日でもう3日も続けて雪が降った.
入居して5日お風呂には入れなくて ちょっとだけ臭くなってきたお婆様たち,
 大雪で訪問できなくなった入浴ヘルパーさん,大好きなお風呂が延び延びになっている I さんの顔を見て,
スタッフの T さんが突然「そうだ温泉に行こう!」と言い出した.
 理事長も「そうだ I さん温泉に行こうよ.温泉に行く?」「うん,いいね」I さんが頷いた.
悠々の外は 雪 雪 雪,深い山奥の秘境と言われている天龍「お清めの湯」へ40分,降りしきる雪の中を,雪見温泉行となった.
 到着した「お清めの湯」の女湯は貸切状態,
 一行 4 人は掛け流しの溢れでるお湯に,ゆったりと首まで浸かりながら降りしきる雪景色を眺めた
40年前に夫を亡くし1人暮らしでがんばってきた I さん91歳.
「この年まで生きてきて,こんな嬉しい事が起こるとは思わなんだ.生きていてよかった」とつぶやいた.

 このときから笑顔が見えるようになった I さん,部屋から出て薪ストーブの前で新聞を読んでいるようになった.
このときから失禁が全く無くなって,トイレでの排尿排便が普通になった.普通にみんなの会話に言葉を挟むようになった.
  人間がは,たとえ年をとっても,不自由な体になっても ,幼くとも,
人間らしく在る事とは、
 一人ぼっちでは出来ないことなのだと
「支えあい 共に生きる」事を除いては, 実現不可能なのだと知った.-----

風の谷〜泰阜村
 自分にしか出来ないこと

NHKの番組「プロフェッショナル〜仕事の流儀」がかかっていた.
 IBMの盲目の研究者浅川女史が語っていた.
 「あきらめなければ道は開く」
 「自分にしかできないことは何かを考えた」と.
 そのように生きて彼女はIT世界のトップ研究者となった.
この世に生きて困難にあうたびに山ほどの何かをあきらめてきた.
 年を重ねてここまできて,ふと,よろよろとどこに向かって歩いているのかと思った.
この世で弱者と見放されてごみのように処分されようとしている人々を,己を忘れて愛せるか、自分の命よりも大切にできるか,

  長い間 ずっとこのことを求めて生きてきたような 気がする.
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風の谷〜泰阜村
   迎春

大晦日から降り出した雪で 泰阜村は真っ白に化粧した新年を迎えた.
 「泰阜村のお年取り」を体験したいという,兵庫県からの青年をお迎えした.
美味しいワインとチーズon日本蜜,アマゴのいくら醤油漬け等「泰阜村幻の味」を堪能し,

 NHK紅白が終わったと同時に、雪の中を除夜の鐘を突きに山寺に出かけ,田本神社に初詣するというコースを楽しんだ.
 雪の山道を汗びっしょりになりながら帰宅した若者たちにはゆず湯が待っていて、コーヒーを飲みながら明け方の3時半まで話し込んだという。

泰阜村にこんな楽しい「お年取り祭り」があるなんて知らなかった.
 たくさんの若者たちに知らせたい,大都会の夜空に輝くイルミネーションもいいけれど,
お正月にはみんなでふるさとに帰って,
 満月の雪明りの中を、サクサクと新雪を踏みながら除夜の鐘を突きに行こうよ.
 その足で村の鎮守様に初詣して新年の幸せと世界の平和を祈ろうよ.
これが地域交流センター「悠々」のお母さんの夢でした.
 有難うございました.

        とっても楽しかったです.

風の谷〜泰阜村
「悠々の会」忘年会

毎月恒例の組合員有志が開催する「悠々の会」が忘年会を開いた.
 その日集まった総勢16名の小さな会の構成員は,82歳の悠々の会会長夫妻を筆頭に9名のお年寄り仲間たち,
 毎回埼玉県越谷市から駆けつけるMご夫妻,
 高次脳機能障害の認知リハで通院中のK君,
 慢性疼痛の認知リハで通院中のM君,
 この日から理事長の助手として初出勤した3人の子供たちのママ三○照○さん、賄いのプロ○浦○さんそして理事長,
開所式から7ヶ月、いろいろな人たちが悠々を訪れ,いろいろな感想を述べて去った.
 しかし今,悠々に集いともに笑いともに感動しながら,悠々で心を暖めあった仲間たちが,「支えあいともに生きる」⇒「地縁」の何たるかをわかり始めている.それを実感しながら,ここで最後まで生きられそうだと感じ始めている.
 長くて短い7ヶ月だったけれど,私に新し生命を吹き込んでくれたひと時が暮れた.
泰阜村では3日前から降り続いた雪が今日も山々を白1色に覆っている.
 森の木々と一緒に私たちもじっと普通の暮らしの中で,
人と人との愛を育みたいと思う.


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